Disclosure: 筆者はAIクリエイターとしてCapCut World 2026 Singaporeに招待参加しています。本記事は、現地での体験と公開情報をもとにAIクリエイターズ編集部が独自にまとめたものです。*渡航・宿泊を含む招待です。

CapCut初のグローバル・コミュニティイベントシリーズ「CapCut World 2026」が、2026年9月、Singaporeから始まりました。

Marina Bay Sandsでは9月4日〜6日に一般公開の体験型イベントを開催。9月5日にはCapella Singaporeで、招待制のKeynote、AI Festival上映、クリエイター向けセッション、Awards、After Partyまでを含むメインプログラムが行われました。CapCutによれば、Singaporeにはクリエイター、業界関係者、CapCutチームメンバーを合わせて300名以上が集まっています。
(参照:CapCut、9月5日にシンガポールにて、CapCut初のグローバルコミュニティイベント「CapCut World」を開催|PR TIMES/Celebrating our community’s growth at CapCut World in Singapore|CapCut Newsroom)

ただ、今回現地で見えたものを「グローバルで大規模なCapCutイベントだった」の一言で整理すると、本質を取り逃がします。

重要だったのは3つです。完成物を再利用する「Templates」に加えて、スタイルや制作工程を再利用可能にする「Skills」が登場したこと。AI LabからInfinite Canvas、生成、編集、Edit Pilotまでが一つのCreative Workflowとして提示されたこと。そしてCreator Awards、AI Festival「CRE[AI]TE」、現地ハッカソンという性質の異なる評価機構が、同じCapCut Worldの中に存在していたことです。

CapCut World Singaporeで示されたのは、動画編集アプリへのAI機能追加だけではありません。
作品、制作工程、実行環境、コミュニティ、評価を接続し、制作の流れ全体を一つのCreator Economyへ近づけようとする動きです。
項目 内容
イベント名 CapCut World 2026
(CapCut初のグローバル・コミュニティイベントシリーズ)
開催地 Singapore(シリーズ第1回)
一般公開プログラム Marina Bay Sands / 2026年9月4日〜6日 / 入場無料
AI Studio・Design Studio・Edit Studio
招待制メインプログラム Capella Singapore / 2026年9月5日
主なプログラム Keynote、Breakout Sessions、CapCut AI Festival上映、
Creator Workshop、Creator Awards、After Party
参加規模 クリエイター・業界関係者・CapCutチーム 合計300名以上
主催 CapCut(ByteDance)
次回以降 Los Angeles(2026年10月)/ London(2026年11月)

*「300名以上」はクリエイターだけの人数ではなく、業界関係者とCapCutチームを含む合計です。
(参照:CapCut World Singapore|CapCut Newsroom/CapCut World 公式サイト)

目次

CapCut World 2026とは何だったのか

結論から言えば、CapCut Worldは新製品だけを見るためのカンファレンスではありませんでした。プロダクト、クリエイターコミュニティ、映画・映像、デザイン、AI、表彰、一般向け体験を一つのイベントシリーズへ集約した、CapCut初のグローバル・コミュニティイベントです。

3都市を巡る初のイベントシリーズ

CapCut WorldはSingapore、Los Angeles、Londonの3都市で展開するグローバルイベントシリーズです。製品体験、クリエイター向けワークショップ、作品上映、ライブショーケース、アワードなどが同じ枠組みの中に置かれていました。

通常、ソフトウェア企業のイベントでは新機能やロードマップが主役になります。一方、CapCut Worldで前面に出ていたのは「何が新しくなったか」だけではありません。誰が使うのか。どう作るのか。作品や制作方法はどう共有されるのか。クリエイター同士がどう学び合うのか。そして、どのような活動や作品が評価されるのか。

プロダクトの周囲に存在するクリエイターの活動そのものまで、イベントとして設計されていました。
(参照:CapCut World 2026|CapCut)

Singaporeを起点に3都市へ

最初の開催地となったSingaporeに続き、CapCut Worldは2026年10月にLos Angeles、11月にLondonへ展開すると案内されています。Singaporeの会場では、Vietnam、Indonesia、Philippines、Korea、Japanをはじめアジア各地から集まったクリエイターと接する機会がありました。その後、米国、英国へ向かう。

単純な地域イベントの横展開というより、異なるクリエイターコミュニティを「CapCut World」という同じフォーマットへ接続していく試みとして見ることができます。Singapore、Los Angeles、Londonで、同じイベントがどこまで同じ姿を保ち、どこから地域固有の文化へ変わっていくのか。その比較自体も今後の観察ポイントになるでしょう。
(参照:CapCut World 2026|CapCut)

MBSとCapellaという二層構造

Singapore開催の特徴は、会場が一つではなかったことです。

Marina Bay Sands Waterfront Event Plazaでは9月4日〜6日に一般公開の体験エリアを開催し、AI Studio、Design Studio、Edit Studioという3つのエリアが誰でも利用できる形で設置されました。一方、9月5日のCapella Singaporeは招待制です。Keynote、Breakout Sessions、CapCut AI Festival上映、Creator Workshop、Awards、After Partyなどが行われました。

一般公開の体験 × 招待制のクリエイター/業界向けプログラム
CapCut World Singaporeは、一般ユーザーが触れる場所と、クリエイター・業界関係者が深く交流する場所を同時に運営する二層構造でした。

先端機能をクリエイターだけの閉じた場所で見せるのではなく、一般ユーザーにも同じブランド世界を体験させる。プロフェッショナルな制作と日常的なクリエイションを一つの体験へ置いていた点は、イベント設計として重要です。
(参照:Three days. Two venues.|CapCut公式X/CapCut World Singapore開催レポート|PR TIMES)

発表・上映・交流を分けなかった理由

CapCut Worldを理解するうえで、この3つは分離しない方がよいと感じました。製品発表だけなら新機能を確認すれば終わります。映画祭だけなら上映やアワードを見ればよい。交流イベントだけならネットワーキングが中心です。

CapCut Worldでは、クリエイターが新しいツールを知り、その場で試し、他のクリエイターと作り、作品を上映し、評価され、一般ユーザーへ創作体験を開くところまでが同じイベントの中にあります。

プロダクト利用から制作、共有、学習、評価までを循環させる。後述するSkillsや3種類の表彰を見ると、この構造が偶然ではなかったことが分かります。

660Mユーザーの裏側——CapCutはすでにCreator Economyである

CapCutの規模を考える際、6億6,000万人超というユーザー数だけを見るのでは不十分です。CapCutは現在、170以上の市場・30言語で6億6,000万人超のユーザーを抱えています。それ以上に注目したいのが、供給側の数字です。

日本の公式発表によれば、CapCutには600万人を超えるテンプレートクリエイターが存在し、毎日40万件以上の新しいテンプレートが公開されています。
(参照:CapCutコミュニティの成長をクリエイターとともに祝福|PR TIMES)

これは一般的な編集ソフトとは異なる構造です。通常、ユーザーは編集ソフトで作品を作り、その完成物を外部のSNSや動画プラットフォームへ公開します。CapCutでは、あるクリエイターが作ったテンプレート自体が、次のクリエイターの制作開始地点になります。

一人の制作結果が、別の人の制作インフラになる。

毎日40万件を超える規模でこの循環が動いているなら、CapCutを単なる「動画編集ユーザーの集合」と見るより、クリエイターによる供給市場を内包したプラットフォームと考える方が実態に近いでしょう。

ここではクリエイターの定義も変わります。作品を作る人だけでなく、他者が作るための構造、素材、型を供給する人もクリエイターになる。つまりCapCutには、すでに完成物が流通する経済圏がありました。CapCut Worldで示されたのは、その経済圏にもう一つ流通可能な対象が加わったことです。

Skills——「完成物」から「制作工程」の流通へ

CapCut Worldを読み解くうえで、最も重要だと考えているのが「Skills」です。Templatesが完成物の再利用を可能にしたのだとすれば、Skillsは制作工程そのものを再利用可能にする仕組みだからです。

Templates ── 完成物を再利用する

テンプレートでは、完成済みの構成やエフェクト、トランジションなどを他のユーザーが利用できます。これは「完成物の再利用」です。

非常に強力ですが、共有されるのは基本的に完成形へ近い構造です。そこへ至るまでにクリエイターが何を考え、どの工程をどの順番で処理し、どのようにルックを統一したかまでは、通常テンプレートだけでは分かりません。

Skills ── 制作工程を再利用する

Skillsでは、スタイル、ワークフロー、技法を保存し、再利用・共有できます。つまり「何を作ったか」だけでなく、「どう作ったか」を資産化する方向へ進みます。

CapCutが公式に紹介している事例が、映像作家Vee CamallereによるAIシリーズ『Featherweight』です。2,500万回以上再生された同シリーズでは、カラーグレーディングの工程をSkillとして保存し、エピソードをまたいで同じルックを呼び出せるようにしたと説明されています。
(参照:Helping community members iterate together|CapCut Newsroom)

Templates Skills
完成した構造を再利用 制作工程を再利用
Output Process
「何を作ったか」 「どう作ったか」
完成物の流通 ノウハウの流通

制作現場では、結果以上に「再現可能な工程」が価値になることがあります。色調、キャラクターの一貫性、ブランドスタイル、商品ビジュアルの量産工程、SNS用素材の制作手順。こうした繰り返し可能な作業がSkillとして保存・共有できるなら、これまで個人の頭脳やプロジェクトファイルの中に閉じていた経験値が、再利用可能な資産へ変わります。

ここまで来ると、「CapCutはCreator OSへ向かっているのか」という問いが現実味を帯びます。まだ断定する段階ではありません。ただし、完成物だけでなく制作方法までプラットフォーム上に保存・共有しようとしていることは、大きな変化として見る価値があります。

CapCut Worldは「発表の場」ではなく「統合の場」だった

ここで見落とせないのが、Skillsを含む一連の基盤が、CapCut World Singapore当日に突然現れたものではないという点です。Singapore開催までの約2か月で、生成モデル、制作環境、透明性対策、ワークフローの再利用という異なる層のアップデートが段階的に展開されていました。

日付 主な動き
2026年7月8日 画像生成モデルSeedream 5.0 Proを公開。
範囲を指定した部分編集、レイヤー分離、多言語テキスト生成などを搭載
2026年7月31日 Dreamina Seedance 2.5 / Dola Seedream 5.0 Proを発表。
あわせてC2PA Content Credentials、不可視ウォーターマーク、可視AIラベルも提示
2026年8月10日 Design Studio向けにSkillsを先行展開。
反復可能なワークフローを再利用可能な機能へ変換する仕組みとして提示
2026年9月4日〜6日 CapCut World 2026 Singapore

つまり生成モデルも、透明性対策も、制作工程を再利用する仕組みも、Singapore以前に個別には姿を現していました。そのうえでCapCut Worldが行ったのは、それらを一つの制作の流れとして接続し、クリエイターが実際に触れられる形で提示することでした。

CapCut Worldは、すべての新機能を初公開する場所というより、それまで個別に出ていた要素を一つのCreative Workflowとして統合して見せる場所だった。

「何が新しく発表されたか」だけではなく、散らばっていた性能が、どう一つの制作工程へ接続されたのかを見ることが重要です。
(参照:Seedream 5.0 Pro|CapCut/Dreamina Seedance 2.5 and Dola Seedream 5.0 Pro|CapCut Newsroom/CapCut Design Studio Levels Up: New Skills Ecosystem|GlobeNewswire)

AI LabからEdit Pilotまで——Creative Workflowの統合

CapCutのAI戦略で重要なのは、モデル単体の性能競争だけではありません。アイデアを考えるところから最終編集まで、制作の文脈をなるべく切らずにつなぐことへ重点が移っています。

アイデアから編集までの流れ

公式説明を整理すると、方向性は次のようになります。

アイデア → AI Lab → Infinite Canvas → 物語・キャラクター・ショット設計 → AI生成 → マルチトラック編集 → Edit Pilot → 完成

AI Labでは自然言語からアイデアを考え、Infinite Canvasへ移って物語、キャラクター、ショット、シーンを発展させます。そこまでの文脈や素材を編集画面へ引き継ぎ、Edit Pilotがクリエイターの意図を理解しながら編集作業を補助する。動画にはDreamina Seedance、画像にはDola Seedream、音声にはSeed AudioなどのAIモデルが統合されています。

CapCutによれば、現在85以上のAIツールを提供し、2026年だけで画像、動画クリップ、エフェクトなど60億件以上の生成が行われています。AI機能を日々利用するクリエイターも700万人を超えています。
(参照:Empowering people throughout the creative process|CapCut Newsroom)

ここで重要なのは「85」という数ではありません。85個のツールがバラバラに並んでいるだけなら、クリエイターはツール間で素材を移動し、プロンプトを再入力し、文脈を組み立て直し続けます。CapCutが減らそうとしているのは、この摩擦です。

生成AIが編集画面の外にあるのではなく、編集画面へ入っていく。さらに編集以前の企画や物語づくりまで同じ環境へ取り込んでいく。これはAI機能の追加というより、制作の流れそのものの再設計と呼ぶ方が近いでしょう。

生成物の出所をどう示すか

生成能力がプラットフォーム内へ深く統合されるほど、「何がAI生成なのか」「出所をどう示すのか」という問題も大きくなります。CapCutは不可視ウォーターマーク、C2PA Content Credentials、可視AIラベルなどの透明性対策を組み込む方針を示しています。

高性能な生成と出所の明示を、どう同じ製品の中で両立するか。これはCapCutだけの課題ではありません。AIクリエイターにとっても、生成品質と同じくらい重要な評価軸になっていくと考えています。
(参照:Giving creators more control with Dreamina Seedance 2.5 and Dola Seedream 5.0 Pro|CapCut Newsroom)

CASE STUDY:『ROOM 0』は50分でどう作られたのか

作品名 ROOM 0
制作 CapCut AI Creators Hackathon / CapCut World 2026 Singapore
上映時間 1分30秒
制作時間 約50分
評価方法 全作品上映後の投票方式
受賞 Best Main Character Design
チーム aratama 璞 / Bird / Okada / SHAINA
Special Thanks amity_sensei
作品概要 限られた時間内に次々と課されるゲームを突破する4人のクリエイターを描いた短編。

制作工程 ── 9つのステップ

準備:数週間前から前夜まで

  1. チーム発表(数週間前)
    当日一緒に制作するメンバーが決まりました。もともとの知り合いは一人もいません。Xでのやり取りはあったものの、内容はほぼ業務連絡でした。
  2. 前夜、屋台でのストーリー会議
    空港で合流できたのは3名だけ。そのまま屋台へ向かい、数時間話しました。ここで「制限時間内に完成させなければいけない自分たち」を、そのまま物語にしてデスゲームにする、という方向が決まります。

当日、制作開始まで

  1. 素材の持ち寄り
    当日、全員で改めて「初めまして」。それぞれが自分のオリジナルキャラクターシート、背景素材、オリジナルのCapCut Manなどを持ち寄りました。キャラクターを当日ゼロから考えたのではなく、各自がすでに育てていたキャラクターを一つの作品へ持ち込んだ点が重要です。

本番:ここから50分

  1. スタート
    制限時間は約50分。1分も無駄にできない独特の緊張感が会場を覆っています。
    また、別のチームと席が近く、周囲の関係者にも会話や作業が見える状況というのも、普段の制作現場にはない集中力を問われるライブ感があります。
  2. 映像設計
    1分30秒の尺から逆算し、必要なシーン数、各シーンの長さ、登場キャラクター、プロンプトを決めていきます。ここでは「できること」より「間に合うこと」の判断が重要になります。
  3. 並行生成
    シーンはメンバーで分担し、並行して生成します。使えそうなカットが出れば即座に編集へ回し、不十分なら生成し直す。すべてのカットが最高品質になるまで待っていては終わりません。
    なお1ゲームにつき1シーンという構成にしたことで、生成したカットの取捨選択が判断しやすくなり、短時間でも完成度を上げられました。
  4. 音楽制作
    音楽も現場で作りました。映像だけでは1分30秒の作品として成立しないため、生成と並行して音の流れを組み立てます。
  5. 生成しながら編集
    完成したカットから順にタイムラインへ入れていきます。生成がすべて終わってから編集を始めるのではなく、両方を同時に進める。短時間制作では、この並列化がとくに効きます。
  6. 締切ギリギリで提出
    最後にタイトルと英文の一行紹介も作成し、アップロードまで行います。企画だけでも、生成だけでも終わりません。提出できて初めて完成です。

提出後はその場で上映され、参加者による投票にかけられました。本来はもっと多くのゲームやエンディングの案がありましたが、この「削らざるを得なかったこと」もROOM 0を形作った一部だったと感じています。

完成作品の一行紹介は次の通りです。

Four creators trapped in a deadly countdown must complete a series of impossible games—only to discover that the final test was never about survival, but about creating the next moment together.

死のカウントダウンに閉じ込められた4人のクリエイターが、次々と課されるゲームを突破していく。最後に分かるのは、目的が生き延びることではなく、その先にある次の瞬間を、一緒に作ることだった——という物語です。

なぜ「Best Main Character Design」だったのか

ROOM 0はハッカソン内で「Best Main Character Design」を受賞しました。この結果は、今回の制作方法を象徴する評価だったと感じています。

持ち寄られたキャラクターを、一つの世界へ

今回のキャラクターは、一人のクリエイターが同じ世界観で全員を新規設計したものではありません。各クリエイターが、それぞれの活動の中ですでに持っていたオリジナルキャラクターです。ビジュアルスタイルも違う。設定も違う。クリエイター自身の美意識も違う。そのキャラクターシートを共通仕様のように使い、1本の映像の中へ共存させました。

生成AI動画において、キャラクターの一貫性は現在も重要な課題です。一度だけ魅力的なキャラクターを生成することと、複数のシーンをまたいで「同じ人物」として維持することは、別の問題だからです。

そこでキャラクターシートの意味が大きくなります。正面だけでなく、角度、表情、衣装、体格、細部を参照できるようにしておく。生成するたびにデザインを考え直すのではなく、そのキャラクターであるための基準を先に作っておく——という考え方です。

今回のROOM 0は、AIによってオリジナルキャラクターを発明した作品というより、既存のキャラクターIPをAIワークフローによって一つの世界へ統合した作品でした。AIでキャラクターを作ることが容易になるほど、「誰のキャラクターなのか」「何がそのキャラクターを同じキャラクターたらしめるのか」という設計の重要性は、むしろ高まります。

Recognition ① Creator Awards——プラットフォームはクリエイターをどう評価するか

CapCut World Singaporeの夜にはCreator Awardsも行われました。ここで重要なのは、ハッカソンの表彰とは評価対象が違うことです。

Creator Awardsには、Asset Member Favorite、Boundless Explorer、Creative Impact、AI Visionary、Creator of the Year、Top Partner、Community Star、Trendsetterの8カテゴリーが確認されています。カテゴリー名を見るだけでも、完成作品一つを審査するアワードではないことが分かります。Top Partner、Community Star、Trendsetter——いずれも単発の作品ではなく、プラットフォームとの継続的な関係やコミュニティへの影響を前提とする言葉です。

ベトナムの国営放送VTVは、ベトナムから20名が8カテゴリーで受賞したと報じています。Creator of the YearにはKim Hoa氏、AI VisionaryにはBatToS氏、BMSound氏、Phong AI氏、Shjn氏、Bé Cừu氏らが選ばれています。
(参照:Việt Nam dẫn đầu CapCut World Award tại Singapore|VTV)

なぜベトナムから20名なのか

これは「ベトナムのクリエイターが日本より優れている」と単純比較する話ではありません。そもそもCreator Awardsは、作品の完成度だけを評価する制度ではないからです。

見るべきなのは、その地域のCreator Economyの厚みです。テンプレートを供給するクリエイターがどれだけいるのか。プラットフォームと継続的な関係を持つクリエイターがどれだけいるのか。クリエイター同士がコミュニティとして接続されているのか。プラットフォームが各地域のクリエイターをどう発見し、支援し、評価しているのか。

受賞数だけで地域のクリエイター環境を測ることはできません。それでも20名という結果は、クリエイターの評価が作品の制作力だけでは決まらないことを示す材料にはなります。制作、発信、コミュニティ、流通、継続活動——AIクリエイターの競争は、すでに複数の層へ広がっています。

Recognition ② CRE[AI]TE——AI作品を「作品」として評価する

Creator Awardsがクリエイターの活動へ軸足を置く一方、CRE[AI]TEは完成作品そのものを評価します。CapCut初のAI Festival(AIクリエイティブ・フェスティバル)として2026年に始まった国際コンペティションです。
(参照:CapCut CRE[AI]TE 2026|CapCut)

4つの部門

  • Film:キャラクター、映画的な作り込み、明確な視点を持つ完結した物語
  • Series:複数のエピソードを通して一つの世界を構築する作品
  • Creative:ビジュアル主導で実験的な作品
  • Commercial:架空または自作ブランドを対象とする広告・ブランドフィルム

興味深いのは、「AI Movie」「AI Generated Video」といった技術による分類ではなく、Film、Series、Creative、Commercialという既存の映像産業に近い分類を採用していることです。

AIがジャンルなのではなく、AIを使って何を作るのかがジャンルになる。

賞金と選出の内訳

CRE[AI]TEは10のCash Awardsと20のSpotlight Selections、合計30作品を選出対象としています。

Award 対象 金額
Grand Prix 全カテゴリーから1作品 US$70,000
Category Winner 4カテゴリー各1作品 US$20,000
Category Honoree 4カテゴリー各1作品 US$10,000
Student Vision Award 学生1名 US$10,000

現在のProgram Termsに記載された上記の内訳を合計すると、US$200,000になります。公式規約は総額そのものを独立した数字としては記載していないため、本稿では「内訳を合計した金額」として扱います。

さらに、選出されたクリエイターまたはチームには50,000 CapCut Creditsと1年間のCapCut Proが提供されるとされています。条件は改訂される可能性があるため、応募・参照の際には最新の公式規約を確認してください。
(参照:Program Terms|CapCut CRE[AI]TE 2026)

重要なのは賞金額ではなく、審査基準

CRE[AI]TEで最も注目すべきなのは、賞金額ではありません。審査基準です。

Program Termsでは、Human Vision and Intent、Story or Concept、Craft with AI、Originality and Imagination、Taste、Sound、Overall Executionが評価対象として示されています。
つまり評価の中心は「AIをどれだけ使ったか」ではありません。物語、意図、作り込み、独自性、美的判断、音、全体の完成度を見る。

CapCut自身が、AI映像の評価軸を技術デモから作品へ移そうとしていると読むことができます。しかもこれは対外的なメッセージにとどまらず、部門設計、審査項目、賞金という具体的な制度へ落とし込まれています。

AI映像制作が成熟すれば、「生成できるか」は次第に前提になります。次に問われるのは、なぜそのシーンなのか。なぜそのキャラクターなのか。最後まで見たい物語になっているか。映像、音、編集が一つの作品として成立しているか——という領域です。
(参照:Judging Panel Criteria|CapCut CRE[AI]TE 2026)

Recognition ③ Hackathon——「完成作品」だけではなく制作能力を評価する

ここまで整理すると、CapCut World Singaporeには性質の違う3つの表彰が存在していたことが分かります。

Creator Awards CRE[AI]TE Hackathon
主な評価対象 クリエイター 作品 チーム/その場の制作
時間軸 継続的な活動 公募コンペティション 短時間制作
決定主体 公開資料では非公表 審査員(審査基準を公開) 参加者による投票(現地で確認)
評価されるもの 影響・コミュニティ・トレンドなど 視点・物語・作り込み 遂行力・協働・結果
代表例 Creator of the Yearなど Grand Prixなど Best Main Character Designなど
関連する経済圏 コミュニティ 作家性 制作プロセス/協働

この3つを同じ「Award」と呼んでしまうと、CapCut Worldの設計を見誤ります。

クリエイターを評価する仕組み。作品を評価する仕組み。その場で作る能力と協働を評価する仕組み。

さらに、それぞれ時間軸も異なります。作品は一本ごとに評価できる。クリエイターとしての活動は年単位で積み重なる。協働は、その瞬間の現場でしか問えない。異なる時間軸に対して、異なる評価装置を用意していると見ると、Singaporeのイベント構造そのものが理解しやすくなります。

3つのうち、CRE[AI]TEは選考方法が公開され、ハッカソンは現地で投票方式を確認できました。一方、Creator Awardsは現在確認できる公開資料では選考方式の詳細を確認できません。この非対称性も、それぞれの表彰の性格を考える材料になります。

ROOM 0のBest Main Character Designは、Creator AwardsでもCRE[AI]TEでもありません。現地ハッカソン内の表彰です。この3者を区別して記録することは、CapCut Worldを理解するうえで重要です。

オンラインのクリエイターコミュニティが、物理空間に現れた

CapCut Worldで強く印象に残ったのは、Keynoteだけではありません。オンライン上に存在していたクリエイターコミュニティが、Singaporeという物理空間へ現れたことです。

取材メモ

最初に強く印象に残ったのは、実はCapella Singaporeのステージではなく、空港やHotel Oraのロビーでした。世界各地からクリエイターが到着し、SNSで名前を見たことのある人が普通に歩いている。活動領域も違います。
映像、テンプレート、デザイン、ショート動画、ファッション、ビジュアルアート、マーケティング。
普段なら別々のタイムラインに存在している人たちが、同じホテル、同じバス、同じテーブルにいます。
これはオンラインイベントでは再現しにくい体験です。

チームジャパンについても同様でした。
突然の招待から、それぞれの事情を抱えながら、Singaporeまで渡航を決めて現地へ。嬉しい結果があった人もいれば、悔しさを感じた人もいたと思います。
それでもイベント後、ロビーでは多くの日本人クリエイターが夜遅くまで互いの熱意を語り合っていました。

クリエイターコミュニティという言葉は、ときどき抽象的に使われます。しかし最終的には人と人です。フォロワー数やオンライン上の評価、つながりだけではなく、海外で一緒に食事をし、制作し、同じ失敗や達成感を経験する。
CapCut Worldで感じたコミュニティの価値は、そこにありました。

イベント運営そのものが「プロダクト」だった

CapCut Worldの規模を現地で見ると、イベントの中身だけに注目するのはもったいないと感じます。

世界各地から集まるゲストの多言語対応、航空券手配、ホテル、空港での出迎え、専用シャトル、案内デスク、バッジ、ウェルカムキット、食事、Capellaへの移動、ワークショップ、アワード、パフォーマンス、Marina Bay Sandsの一般公開イベント、クリエイター向けのSNS施策。
表に出るKeynoteの裏側には、途方もない運営チームの活躍があります。

なぜ運営が「プロダクト」なのか

クリエイティブなイベントでは、内容が優れていても移動や受付が破綻すれば体験全体が崩れます。
とくに海外ゲストが多数参加するイベントでは、航空券、入国、ホテル、空港送迎といった一見「クリエイティブではない部分」の精度が、そのままイベントの評価につながります。アクシデント1つが命取りになる恐れもあるので、リスク管理も重要です。

参加者として実際に移動して感じたのは、イベント運営そのものも一つのプロダクト体験になっていたということです。
個人的には嫌な思いは全くせず、スタッフの声掛けなども随時あり快適でした。これは単に「運営が丁寧だった」という感想ではありません。
クリエイターコミュニティを世界規模で運用するなら、運営の層にも再現性が必要です。イベントごとにクリエイターの体験が大きくぶれるなら、グローバルなコミュニティ戦略は成立しません。

さらに、これをSingaporeだけで終わらせず、Los Angeles、Londonへ続ける。
CapCut Worldをマーケティングとして見るなら、広告表現だけでなく、クリエイターが到着してから自国へ帰った後の体験設計そのものがマーケティングになっていました。

CapCutは何になろうとしているのか——5 Layer Model

ここまでの事象を一つにまとめると、CapCutが構築しているものを5つの層として見ることができます。
ただし、これはCapCut自身が公式に「5 Layer Model」と発表しているわけではありません。AIクリエイターズ編集部が、CapCut Worldと公開情報から整理した分析モデルです。

Layer 1 — Output

最初の層はTemplatesです。クリエイターが作った完成物の構造を、別のクリエイターが利用する。完成物の再利用です。600万人超のテンプレートクリエイターと1日40万件超の新規テンプレートという規模は、この層がすでに大きな経済圏として成立していることを示します。

Layer 2 — Process

次がSkillsです。完成物だけでなく、そこへ至るスタイル、ワークフロー、技法を保存する。経験やノウハウを再利用可能にする層です。Templatesが「結果」を流通させるなら、Skillsは「方法」を流通させます。

Layer 3 — Execution

AI Lab、Infinite Canvas、Dreamina Seedance、Dola Seedream、Seed Audio、Editor、Edit Pilot。これらが実行の層です。考える、設計する、生成する、修正する、編集する。クリエイターが実際に手を動かす環境を、一つの文脈へ近づけています。

Layer 4 — Community

クリエイター同士がテンプレートやSkillsを共有し、他者の制作へ影響を与える。ここには流通だけでなく学習も含まれます。他人の完成作品だけでなく制作工程まで取り込めるなら、プラットフォームそのものが学習環境になるからです。Skillsが本格的に広がれば、この層の意味はさらに大きくなります。

Layer 5 — Recognition

最後が評価の層です。Creator Awardsではクリエイターの活動を評価する。CRE[AI]TEでは完成作品を評価する。ハッカソンでは、その場での遂行力と協働を評価する。

Creator Economyにおいて、評価は単なる表彰ではありません。可視性が生まれ、次の機会へつながり、コミュニティ内での役割が形成されます。制作、共有、評価、そして次の制作。評価は、この循環を閉じる層と見ることができます。

なぜCapCutにこの5層が作れるのか

CapCutがこの5層を近接させられる背景には、すでに巨大な利用者基盤とテンプレート経済を持っていることがあります。ゼロからコミュニティを作るのではありません。6億6,000万人超のユーザー、600万人超のテンプレートクリエイター、1日40万件超のテンプレート、85以上のAIツールという既存基盤の上へ、SkillsとAIワークフローを追加しています。

優れたAIモデルだけを持っていても、Creator Economyは自動的には生まれません。優れた編集ソフトだけでも同じです。

ツール、供給者、再利用可能な素材、コミュニティ、評価が相互に作用して、初めて循環が生まれます。

CapCutにはテンプレートという既存の循環があるため、その対象を制作工程へ広げるSkillsは、単独の新機能以上の意味を持ちます。さらにAI LabからEditorまで文脈を引き継げるようになれば、クリエイターがプラットフォーム内部に残す価値も増えていく。ここには強いネットワーク効果が生まれる可能性があります。

一方で、それは後述するプラットフォーム依存と表裏一体でもあります。

Creator OSと呼べるのか

この5層まで見ると、「CapCutは動画編集アプリなのか」という問い自体が少し古く感じられます。CapCut Global HeadのXiaoqi Fu氏は、動画制作をより簡単で身近にするという原点から、編集、デザイン、新しいツールをまたぎ、制作の道のりをより一体化していく方向を説明しています。
(参照:CapCut World Singapore|CapCut Newsroom)

ただし、この状況をすぐに「Creator OS」と断定するのは早いでしょう。OSという言葉には、相互運用性、特定プラットフォームへの非依存、外部開発者の生態系といった、より広い条件も含まれ得ます。現在のCapCutは、外部へ開かれた中立基盤というより、自社サービス内で制作の道のりを深く統合している段階です。

「Creator OS」は比喩ではなく、検証すべき主張になった。

Singaporeで見たものは、その問いを現実的なものにするには十分でした。

その一方で——制作工程をプラットフォームへ預けるということ

統合されたワークフローは便利です。同時に、統合されるほどクリエイター側が理解しておくべきことも増えます。

CapCutのTrust Centerは現在、“All user-generated content you create on our platform belongs to you.”(本プラットフォーム上であなたが作成したユーザー生成コンテンツは、すべてあなたのものです)と明記しています。また、クリエイターのコンテンツや肖像を同意なしに商用利用しないと説明する一方、プラットフォーム上でコンテンツを共有する場合には、ダウンロード、再投稿、共有、共同制作といったコミュニティ機能を成立させるための限定的な許諾が必要になるとも説明しています。
(参照:Legal protections for your creative works|CapCut Trust Center)

これは「安心だから何も考えなくてよい」という話でも、「アップロードしたら権利をすべて失う」という話でもありません。プロのクリエイターに必要なのは極端な解釈ではなく、自分が何をどこまで利用するのかを把握しておくことです。

クラウドへ何をアップロードするのか。クライアントの素材は入れてよいのか。商用利用可能な素材はどれか。キャラクターIPをどこまでプラットフォーム内へ置くのか。ワークフローを別環境へ移せるのか。

Skillsによって制作工程そのものがプラットフォーム上の資産になれば、この問いはさらに重要になります。完成したJPEGやMP4であれば、手元へのバックアップは簡単です。しかしキャンバス上の文脈、AIとのやり取り、Skillとして保存したワークフロー、プラットフォーム固有のAI編集が制作価値の中心になると、可搬性は別の問題になります。

これはCapCut固有の問題ではありません。AIを前提としたクリエイティブプラットフォーム全体が、今後向き合う課題です。

便利さとロックインは、しばしば同じ設計の表裏にあります。

だからこそクリエイター側にも、ツールを使いこなす技術だけでなく、自分のIP、データ、ワークフローをどこまで預けるのかを判断する力が必要になります。

日本のAIクリエイターにとって何を意味するのか

チームジャパン

CapCut World Singaporeを日本のAIクリエイターの立場から見ると、「海外イベントに参加できてよかった」で終わらせるべきではないと思っています。日本のクリエイター環境にとって、いくつか具体的な示唆があります。

7つの示唆

  1. 世界に出ること
    オンラインで世界へ作品を公開することと、実際に同じ場へ出ることは違います。英語が完璧でなくても、作品と制作経験が共通言語になる場面はありました。一方で、現場にいなければ生まれない会話や共同制作もあります。
    また日本 / 世界で見た場合での立ち位置やニーズは異なっています。ここは一段客観性が必要なポイントです。
  2. オリジナルIPや独自性を持つこと
    生成AIでビジュアルを作れること自体の希少性は、下がっていきます。そのとき重要になるのは「自分が何を持っているか」です。ROOM 0では、それぞれのクリエイターがオリジナルキャラクターを持っていたことが、作品の個性につながりました。
    世界を基準にした場合の日本人が持つ独自性、個人としての独自性はどこにあるのか。
  3. 一貫性
    キャラクターシート、参照設計、プロンプト、モデルの使い分けといった一貫性の設計は、AI映像制作の基礎技術になりつつあります。
    これはその他デザインやスタイル、ワークフローの独自性の一貫性にもなりうるものです。
  4. 協働できること
    AIクリエイターは一人で完結しやすい職種です。
    しかしそれは、一人で作る方が常に強いという意味ではありません。既存業界のスペシャリストや異なるクリエイターの強みを瞬時に理解し、役割を分ける能力は、ハッカソンのような現場で明確に問われます。
  5. 速さだけでは差別化できない
    生成にかかる時間は、今後さらに短くなるでしょう。昨今リアルタイムの可能性も示唆されています。
    そのとき差になるのは、50分で何を生成したかではなく、50分で何を選んだかです。速さがありふれたものになるほど、演出の判断力の価値は上がります。
  6. 物語・演出・美意識
    CRE[AI]TEの審査基準が示すように、AI映像の評価は物語、独自性、美的判断、音、完成度へ向かっています。モデルの性能を追うことは必要ですが、「最新モデルを使った」という事実だけが作品の価値になる期間は長くありません。
  7. 届け方とコミュニティ・マーケティング
    良い作品を作っても、見られなければ機会につながりません。
    制作能力だけでなく、クリエイター同士のつながり、プラットフォームへの参加、継続的な発信、コミュニティとの接続まで含めて考える必要があります。

日本のAIクリエイターに不足しているのが制作能力だとは、現地を見ていて感じませんでした。
むしろ課題は、その能力を外へどう接続するかです。英語での発信、コミュニティ、海外イベント、チーム制作、メディア露出、ブランドとの協業。個人の技術だけでなく、クリエイターを取り巻く環境そのものを育てる必要があります。

AIクリエイターズとしても、クリエイターを単に一覧化するだけではなく、その専門性、作品、オリジナルIPを国内外の仕事や機会へ接続する基盤を作る必要性を、今回改めて感じました。

AIツールではなく、Creator Economyの未来を見せた3日間

CapCut World 2026 Singaporeで見えたのは、新しいAIツールの一覧ではありませんでした。

作品を共有するTemplates。制作工程を共有するSkills。その工程を実行するAI Lab、Infinite Canvas、生成、Editor、Edit Pilot。世界各地から集まるクリエイターコミュニティ。そしてクリエイター、作品、その場の制作を、それぞれ異なる角度から評価する3つの表彰。

これらが同じ場所に集まったことで、CapCutが次に進もうとしている方向が見えやすくなりました。

AI制作では今後、「生成できること」自体の価値は相対的に下がっていきます。モデルは更新され、生成速度は上がり、品質の底上げも続きます。

その先で問われるのは、誰が、何を、なぜ、どう作るのか。

そして、その方法を誰と共有し、どのコミュニティの中で次の制作へつなげるのか。CapCut World Singaporeは、AIツールの未来以上に、AI時代のCreator Economyがどのような形へ向かうのかを可視化したイベントだったと、AIクリエイターズでは捉えています。

Singaporeで始まったCapCut Worldは、次にLos Angeles、Londonへ向かいます。都市が変われば、集まるクリエイターも、作品も、コミュニティの文化も変わるはずです。その違いまで含めて、CapCut Worldという実験がどこへ向かうのか。引き続き追う価値があります。
(参照:CapCut World 2026|CapCut/CapCut World Singapore|CapCut Newsroom)

FAQ

What is CapCut World 2026?|CapCut World 2026とは?
CapCutが2026年に開始したグローバル・コミュニティイベントシリーズです。Singapore、Los Angeles、Londonで展開され、製品体験、クリエイター向けワークショップ、作品上映、アワード、一般向け体験などを組み合わせています。(参照:CapCut World 2026|CapCut)
When and where was CapCut World Singapore held?|開催日と会場は?
一般公開のMarina Bay Sands会場は2026年9月4日〜6日、招待制のCapella Singaporeでのメインイベントは9月5日に開催されました。(参照:CapCut World Singapore開催レポート|PR TIMES)
What is CapCut Skills?|Skillsとは?
作品の完成結果だけでなく、スタイル、ワークフロー、技法を保存・再利用・共有するための仕組みです。Templatesが完成物を再利用する仕組みなのに対し、Skillsは制作工程そのものを再利用可能にする点が特徴です。(参照:CapCut World Singapore|CapCut Newsroom)
What is CapCut CRE[AI]TE?|CRE[AI]TEとは?
CapCutが2026年に開始した初のAI Festivalです。Film、Series、Creative、Commercialの4部門があり、10のCash Awardsと20のSpotlight Selections、合計30作品を選出対象としています。(参照:CapCut CRE[AI]TE 2026|CapCut)
What is the CapCut AI Creators Hackathon?|AI Creators Hackathonとは?
CapCut World Singaporeの招待制プログラム内で行われた、チーム単位の短時間制作企画です。筆者のチームは約50分で1分30秒の「ROOM 0」を制作し、Best Main Character Designを受賞しました。
What is the difference between CapCut Creator Awards, CRE[AI]TE and the Hackathon?|3つの表彰の違いは?
Creator Awardsはクリエイターとしての活動や影響、コミュニティ、トレンドなどを広く評価する表彰ですが、現在確認できる公開資料では選考方式の詳細は示されていません。CRE[AI]TEは公開された審査基準にもとづき審査員が完成作品を評価し、ハッカソンは現地で全作品上映後に参加者投票が行われました。
How many people attended CapCut World Singapore?|参加者数は?
CapCut公式によると、Singaporeにはクリエイター、業界関係者、CapCutチームメンバーを合わせて300名以上が集まりました。「300名以上のクリエイターだけ」という意味ではありません。(参照:CapCut World Singapore|CapCut Newsroom)
What AI tools did CapCut showcase?|どのAIツールが紹介された?
AI Lab、Infinite Canvas、Edit Pilot、Video Studioといったワークフローに加え、Dreamina Seedance、Dola Seedream、Seed AudioといったAIモデルの統合が紹介されています。CapCutは現在85以上のAIツールを提供すると発表しています。(参照:CapCut World Singapore|CapCut Newsroom)
What is ROOM 0?|ROOM 0とは?
CapCut AI Creators Hackathonで制作した1分30秒の短編です。4人のクリエイターのオリジナルキャラクターがデスゲームを突破していく物語で、約50分の制作時間で完成し、Best Main Character Designを受賞しました。
Where will CapCut World be held next?|次の開催地は?
Singaporeの次はLos Angelesが2026年10月、Londonが2026年11月に予定されています。(参照:CapCut World 2026|CapCut)
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企業・研究者・クリエイターをつなぐ実践型プラットフォーム「AIクリエイターズ」の創設者・編集長。アート・メディア・テクノロジー領域を横断する専門家として、複数のデジタルメディアを統括し、AIを活用したデジタルプロジェクトの企画・推進に取り組んでいる。
生成AIを単なる制作ツールではなく、事業、表現、社会実装を拡張する基盤として捉え、AIネイティブな事業設計とクリエイティブ開発を推進。米国の専門メディアで「世界の注目AIクリエイター Top 5」に選出されるなど、国際的なAIクリエイティブ領域でも実績を重ねている。自ら第一線で検証と実装を重ねる中で培った一次情報と厳格な編集視点をもとに、AIクリエイティブとAIビジネスの現在地を、深く、わかりやすく伝えている。

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